ストーリー

アゲハチョウストーリー

なぜ、むつ市の夜景は「アゲハチョウ」と称されるようになったのか。
その背景と現在、そして未来へ。


背景

館内施設イメージ

むつ市の前身、かつての「田名部」には南部藩の代官所が置かれ、下北の産業・経済・文化の中心地であった。陸奥湾(大湊湾)に停泊した北前船からの荷物の積み卸しが田名部川を通して行われ水運で栄えた。上方に向�けては、アワビ、ナマコ、コンブ等が出荷され、各地からは西廻り航路を通り、数々の珍しい物品がもたらされ、言葉や文化も伝わった。江戸時代には近江商人が下北で活躍し、近江の祭りも田名部に伝わった。現在の「田名部まつり」は祇園祭りの流れをくむとされている。そのため、その夜の景観は「北のみやび」と称された。一方、釜臥山からの「むつ市」は、陸奥湾へと伸びる田名部川を中心として街が広がりながら栄えた事で、夜の光も田名部川流域全体に広がるようになった。
「北のみやび」と称された通り、「みやびやか」な夜の祭り、「広がりのある田名部の街明かり」は、その光のイメージと形態から、いつしか羽を広げた”みやびやかな蝶”に例えられるようになった。

現在

館内施設イメージ

夜景鑑賞が観光価値として全国的に広まり始めた1990年代半ば、広島県呉市の「くれ文字」の夜景など、街々の夜景にも価値感が生まれ始めた。むつ市の場合も同様で、“みやびやかな蝶”の夜景は、具体的な種類として、アゲハチョウの代表的な種類である「ナミアゲハ」(成虫の雄・雌)に称されるようになった。その所以は「ナミア
ゲハ」の羽の模様が白と黒が美�しく描かれていることから。光と闇のコントラストにも似通って見えるからだと言う。
北のみやび+田名部川流域の地形と街明かり=羽を広げた“みやびやかな蝶“アゲハチョウの代表的な種類「ナミアゲハ」の羽の模様が白と黒で夜の光のよう=アゲハチョウの夜景と現在伝えられている。

特別なアゲハチョウとその意味(恵み)①

館内施設イメージ

■アゲハチョウの夜景と漁り火
一年の一定時期、いか漁の船が漁り火として、むつ市街の南側の海に瞬く。眼下に広がる「アゲハチョウ」の光と漁り火の光群は、下北半島に夜な夜な羽ばたく、”アゲハチョウの群れ”のようにも見える特性から、家族の絆、仲間との団結などの意味が持たれ、「固い約束ができる特別な夜景」として注目されている。

特別なアゲハチョウとその意味(恵み)②

館内施設イメージ

■アゲハチョウの夜景と満月
北の透明感溢れる空気に映える満月が、眼下の「アゲハチョウ」と競演する。天候や冬期の道路通行止め等もあるため、一年で数回しか見れない貴重な夜景。アゲハチョウの上空に煌々と輝く満月による風景は、もはや地球の枠を飛び越え、大いなる宇宙の彼方で競演するような神秘的な世界感に溢れることから、「大いなる愛」「永遠の愛」など、「祈り・願い」を叶える夜景と言われる。